パッシブデザインと意匠性を融合させたスマートな邸宅

白いキューブ状の建物のコーナーを斜めにカットし、レッドシダー張りの壁がのぞくように見える外観。個性的な佇まいは、大きな吹き抜けを持つ室内にも引き継がれている。 リビングで存在感を放つのは、2階まで貫くRC打ち放しの壁と、壁から持ち出すキャンチレバーのRC階段。デザイン面で意識されたのは、研ぎ澄まされたシャープさだ。テレビボード側の壁もRCで、こちらは杉板型枠の仕上げでニュアンスが付けられている。「硬質でスタイリッシュなイメージが理想」という夫人の希望が叶えられた。RCの壁は見た目の意匠性以外に、太陽の日射を熱として蓄える役割ももたせられている。吹き抜けを巡る回廊型の廊下は個室やサンルームをつなぎ、パッシブデザインは隅々に行き渡っている。

庭に面したリビングの面積とほぼ同じ40畳を有するダイナミックな吹き抜け。

2階の回廊のどこからもLDKを見下ろし、家族の気配を感じることができる。

蓄熱性の高い素材の壁をテレビ裏に設け、その裏に電子ピアノや書棚を配置している。LDKからの目隠しとなり、おもちゃなどもその壁面を利用して設けた棚に収納。

ニュアンスのあるグレーのキッチンは、食器棚やパントリーを兼ねた壁面収納を設け、すっきりと。一角には奥さまが作業できる家事スペースとしてデスクを造作。

通り土間の奥は斜め壁とし、最大限の大きさの開口を設け、採光を確保。人通りの多い公道と距離を保てるので、室内は常に静かな環境をキープ。

玄関からLDKへの動線とは別に、ファミリークローゼットや土間収納へいく裏動線を設けた。ギャラリーとしてゲストの目を楽しませている。

階段途中のフロアにはIさんのオフィスを。浮遊するような開放的なデザインのため、見通しがよくて圧迫感がない。

サッカーフィールドやプールサイドにもなる人工芝の庭。バルコニーに設置したのは、1枚ごとに角度を変えられるエコなルーバー。手動で細やかな調整ができる。

撮影/山本育憲

美しいディテール

総2階の家の外観は、シンプルな箱型でどうしても閉鎖的な印象になりがちです。この家は総2階のプランですが、1箇所のコーナーを板張りの壁面にすることで温かみをプラス。角地の抜けを生かして窓を設けている点も設計レベルの高さがうかがえます。

建築知識ビルダーズ編集長 木藤阿由子

PASSIVE DESIGN COME HOME
https://passivecomehome.co.jp
物件情報
物件名/I邸
所在地/愛知県
延床面積/210.89㎡
1F/108.07㎡
2F/102.82㎡
家族構成/夫婦+子供2人
構造/木造SE構法
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