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炎上…!ではなく、熱漏れです

2016.02.26

先日、秋田に取材に行ってきました。北海道や東北では、家の断熱性能を少しでも油断すると「寒い!」とすぐにばれてしまいます。しかし、一体、どこが悪いのか?断熱性能の良し悪しは、目に見えないので分かりづらい…。

ということで、東京大学大学院工学系研究科の前真之先生に協力いただき、超高解像度サーモグラフィカメラで確かめてみました。サーモグラフィカメラとは、簡単に言うと赤外線反応で物体の表面温度を測定するものです。

早速、築32年の木造住宅を撮ってみると・・・


!!!
窓が真っ赤ですが、火事ではありません(笑)。熱漏れです。部屋の中の暖かい空気(熱)が窓からどんどん逃げている!

この画像からは、壁や屋根と比べて窓の温度が高いことが分かります。熱は温度の低いほうに移動する性質があるため、断熱の弱い部分を伝って、どんどん気温の低い外へと逃げていってしまいます。

こうしてみると、熱にとって窓が一番の逃げ道だということが分かります。
よく見ると窓だけではありません。


軒と桁の間からも熱が!


土台と基礎の間からも!
私たちの気づかないところで、熱は隙間や断熱性の弱い部分を伝って、どんどん外に逃げていく。

そうとも知らず、部屋では「寒い寒い」とガンガン暖房する。なんてもったいない!
外を暖房しているようなものですね。冬暖かく過ごすには、強力な暖房を買うよりも、熱の逃げ道をなくすことが先決です。

 

画像提供・東京大学大学院工学系研究科 前真之研究室
(構成・文/建築知識ビルダーズ編集長 木藤阿由子)