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「北海道開拓の村」は木造の博物館

2016.02.08

私は北海道の出身なのですが、地元には行っていない場所というのが結構あるものです。昨年末、札幌に帰省したおり、初めて「北海道開拓の村」を訪ねました。美しく雪景色した村は、時代をタイムスリップしたかのようです。


 北海道開拓の村は、1983年、北海道百年を記念して設置され、明治から昭和初期にかけて建築された北海道各地の建造物を54.2haの敷地に移築復元・再現しています。野外博物館ですが、野幌の原生林の中というローケーションも素晴らしいのです。


「開拓の過程における生活と産業・経済・文化の歴史を示す建造物等を移設、復元して保存するとともに、開拓当時の情景を再現展示して、北海道の開拓の歴史を身近に学ぶことのできる野外博物館」(HPの説明による)だそうです。


北海道ならではの赤煉瓦づくりの建物や、木造の洋館風の建築もありますが、注目はやはり木造の住宅です。約100年前の木造住宅が、その当時の面影をとどめて保存されています。内部は、それぞれの商店、漁家、住宅、寮など、小物も揃えられ、そのほとんどは内部にあがって見ることができます。


北海道は日本全国から入植、または移転した人々によって開拓されていきました。そのため、住宅を始めとする建築にも各地の建物を踏襲しています。いわば、全国の建築様式が集まっているわけです。夏は馬車が、冬は馬ぞりに乗って村内を見て回ることもできます。住宅を見て回っていると、そこに住んでいた人々の息づかいが聞こえてくるようでした。


札幌の中心地から30分。木造建築の野外博物館、本当に気持ちいい、自然の中の空間です。http://www.kaitaku.or.jp/guide/guide.html

(構成・文/モダンリビング編集長 下田結花)