傾斜地と個性的な木材を活かしたハイセンスな邸宅

緑豊かな傾斜地に立つ、スギ張りの外壁を持つ住宅。外に張り出したデッキテラスは雛壇状に上がり、リビングへと続く。さらにダイニングの床はリビングから70cm高く設定し、舞台のように見えるプラン。傾斜地の地形を室内に表したことで、視線の変化や腰掛ける場所が生まれた。リビングと吹き抜けに面した大きな開口からは、向かいの山の緑と空が見える。キッチンからは1階全体を見渡せ、2階の書斎の様子も吹き抜け越しにわかる。階につながるオープンな階段は、カリン無垢材を2階の壁まで張り上げ、空間の主役となるデザインに。デザイナーである建て主と工務店との信頼関係に基づくコラボレーションで、室内外に心地よい居場所が点在する個性豊かな住まいが完成した。

ダイニングはリビングより床が70㎝高く、まるで舞台のように見えるプラン。ソファの奥行きに合わせて袖壁をつくり、この空間に合わせてぴったりと収められた。

縦長のハイサイドライトとシャンデリアが吹き抜けを強調。視界が抜け、開口が向かいの山の緑をアートのように切り取る。

ダイニングはブラックウォルナットをフレンチヘリンボーン張りにしたテーブルが主役として存在している。ダイニングの横には隣接したタイル貼りのテラスを設置。

吹き抜けの角に柱が出ることなく、開放的なワンルームの空間と立体的なヌケ感を両立させている。玄関からはルーバー越しにLDKの様子がうかがえる。

カリン無垢材の壁を2階まで連続させることで垂直方向の伸びやかさを強調。階段は浮いたようなデザインで空間にしっくりとなじんでいる。

リビングは床暖房を設置するためグレーのタイル貼りとし、他の空間と印象を変えた。温められた空気は吹き抜け越しに循環し、居住性に配慮がなされている。

ヘキサゴン状に張ったフローリングが印象的なベッドルーム。出窓はクッションなどをしつらえ、ベンチのように活用している。

雛壇状のテラス。BBQパーティーの際に階段がベンチとして活躍。

撮影/傍島利浩

美しいディテール

白い壁を切り抜いたような美しいピウチャーウィンドウ。キッチンカウンターの奥行きと窓のサイズを揃えている点から、ディテールへのこだわりが伝わってきます。カウンターの鏡面に映り込んだ緑まで計算されているとしたら、お見事!としか言いようがありません。

建築知識ビルダーズ編集長 木藤阿由子

リモルデザイン
https://www.remoldesign.com/
物件情報
物件名/渡辺邸
所在地/神奈川県
延床面積/138.82㎡
1F/78.07㎡
2F/60.75㎡
家族構成/夫婦+子供1人
構造/木造SE構法
性能/耐震等級_3
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