10年後も楽しめる庭を愛で豊かに過ごす方形造りの平屋

木々に囲まれたY邸は、3つの方形屋根が連なる平屋。リビングがあるメインの棟、寝室のあるプライベート棟、浴室のある水廻り棟が並び、俯瞰で見ると寺院建築のようにも感じられる。数年後にリタイアを迎える夫婦2人が暮らすこの家は、おおらかなプランニングで将来的に車いすでの移動もできるようバリアフリーな生活動線を確保。LDKの棟の屋根を支える太い柱には石積みを施して荒々しさを、勾配天井は木製パネリング張りとして安らぎを表現。水廻り棟やプライベート棟はリビングから距離を取り、ゲストと過ごす時間も1人で過ごす時間も、庭園を眺められるように計画された。造園会社が手がけた庭の四季や天候、時間帯による変化を、どこにいても楽しむことができる。

夕暮れ時には家そのものが緑の中で灯る行灯のように見え、幻想的に。新光園が手掛けた庭園は、数年経つと木々や苔がより茂り、自然に近い姿になる。

3面に大開口があり、キッチンに立つと庭園全体を見渡せる。ほとんどの時間をLDKで過ごすため、家具もゆったりと配置し、ゆとりある動線に。

LDKに面した和室からの風景。日差しの変化により時間の流れ、季節の移ろいを開口から感じられる。雨上がりの朝は露がきらめき、さらに美しく。

昼と夜の表情ががらりと変化するのもY邸の魅力。夕刻になると柱の陰影が際立ち、より重厚に。天井も昼間のマットな質感ではなく、光を反射して艶めく。

LDKの北側にあるキッチンにはバーカウンターとなる、カウンターテーブルを設けて。奥はパントリーだが両サイドに石積みの壁を配し、目隠しに。存在感のある照明がポイントになっている。

ゲストは庭園の門から風景を楽しみながら進む。雨も似合う庭園で、敷き詰めた石が輝き、苔もしっとりとした深みのある緑となる。

玄関に入って右手が寝室、左手がLDKへとつながる。寝室側にも勝手口が。正面には大きな開口を設け、外の風景を切り取った。

庭園に面した開放的な浴室。LDKの棟とはテラスを挟んで程よい距離感があり、瞑想できそうなほど静寂な時を約束してくれる。

撮影/山本育憲

美しいディテール

方形屋根の形の美しさをそのまま室内でも感じられる天井面の仕上がりが素晴らしい。板材を1枚1枚きれいに張り上げていった職人の高い技術とものづくりへのこだわりが伝わってきます。

roomz 星野建築事務所
http://www.roomz.jp/
roomz 星野建築事務所代表取締役社長 星野貴行さんインタビュー
https://www.hqb.jp/interview/roomz
物件情報
物件名/Y邸
所在地/新潟県
延床面積/207.98㎡
1F/207.98㎡
家族構成/夫婦
構造/木造SE構法
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