高い居住性を叶えて長く住まう本物志向の平屋

三角形の敷地にあって、リビングと寝室の窓から見える風景を検討しながら、中庭を設けてプライベート感を確保した平屋のS邸。Y字のコンクリート擁壁は庭をゆるく3分割しながらも、下部を開けることで風や光が通り抜ける。インテリアは珪藻土の塗り壁とローズマホガニーの天井、アピトンの床に包まれた中で、玄関扉をはじめとして、波紋を表現した鏡面仕上げのキッチン、ブビンガ材のダイニングテーブルなどオリジナルの造作を随所に配して、家具で形づくられたような住宅となっている。リビングでは天井を照らす間接照明を取り入れて、奥行き感を演出し心が和む光環境に。本物の素材の質感や香りを楽しみ、四季折々で変化する緑を眺め、音楽に身を委ねる、五感に訴える快適な空間となっている。

リビングダイニングは粗めの珪藻土左官仕上げとローズマホガニーによる折上げ天井。職人の手仕事による贅沢な空間となった。ルイスポールセンなど数種類のペンダント照明を採用した。

テラスまで視線が抜ける気持ちのよいキッチン。キッチン部分の床は150㎜下がっているため、ダイニングに座る家族と目線が揃う。テラスはコンクリート擁壁とポーチに囲まれたプライベート空間となっている。

「ゆらぎ」をテーマにした波模様の鏡面ピアノ塗装が美しいオリジナルのキッチン。壁面収納は三角形のプランに合わせて両サイドを斜めに造作。

廊下からダイニングへつながるオリジナル造作の木製ガラリ扉。ルーバー状の扉は閉め切っていても家族の気配が感じられる。

玄関ホールにはオリジナルのシューズクロークを設置。扉には、キッチンとデザインを合わせて波模様の材料を使用し、高級感と自然の波長を感じさせる。

間接照明に照らされたホテルライクなトイレ。ブラックマット調のシックな製品を採用した。予備ペーパーや掃除道具の収納も製作し、居室と同様に「家具のような家づくり」が貫かれている。

長方形のステンレスシンクを設置した、トイレと同デザインによる木製の造作洗面台。壁と同系色のモザイクタイルが間接照明で煌めく。毎日使う場所こそのこだわり。

ガルバニウム鋼板と木材のコントラストが美しい外観。Y字のコンクリート擁壁が寝室前、リビング前、駐車場をゆるやかに分ける。擁壁下部にスリットを設けることで光や風が抜け、苔や落葉を見ることができる。

撮影/植田敬太郎

美しいディテール

周囲を囲った玄関ポーチは、仕上げを横張りにして玄関ドアまで誘導するように奥行をもたせていることに加え、板と鋼板を張り分け、上質感をプラス。仕上げの施工精度の高さによって、より美しさが増している

建築知識ビルダーズ編集長 木藤阿由子

意匠計画Horigami
https://ishou-h.com/
物件情報
物件名/S邸
所在地/香川県
延床面積/98.49㎡
1F/98.49㎡
2F/-㎡
家族構成/夫婦+子供2人
構造/木造軸組み工法
性能/耐震等級3(許容応力度計算)+制震
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