空と住まいをシームレスにつなげる天空のアウトドアラウンジ

高台の傾斜地にあって、地階にあたる位置にRC造のガレージとエントランスを設けたT邸。車2台がゆったりと入るスタイリッシュなガレージと、モノトーンのさまざまなニュアンスが重なり合うエントランスは、家全体の印象を決定づけている。ガレージはシャッターの開閉にかかわらず、常に外観のアクセントになるように考慮。なおかつ、シャッターはリビングのウォルナットの書棚に合わせた木目調、ガレージ奥はキッチン収納の扉に合わせたミラーガラスとするなど、住まい全体の調和を測っている。階段やエレベーターを上がると視界に飛び込むのは、テラスに植えられた樹齢約300年のオリーブのシンボルツリー。このテラスはLDKや和室の大開口で室内外がつながるアウトドアラウンジへと続き、空と住まいをシームレスにつなげている。

ホールから一歩外に出て階段を上がるとそこは別世界。リビングや和室と一続きでつながる圧巻のアウトドアラウンジが広がる。傾斜を生かしてリズミカルな段差をつけた。

和室側から見通したアウトドアラウンジ。緩やかな傾斜を生かし、段差や踏板の長さを変えて奥行きを感じさせるなど、視覚的にも開放感を演出。

室内とアウトドアラウンジの中間領域となるウッドテラス。夜にはライトアップされ昼とは違う表情を見せる。リゾートに滞在しているような気分に。

樹齢約300年のオリーブの木がT邸のシンボルツリー。ここを境に奥がLDKや和室、ゲストルームなどパブリックスペース、手前が寝室などのプライベートスペースになっている。

アウトドアラウンジが窓越しに広がる開放的なダイニング。スタイリッシュな空間のアクセントとなる照明は、NYのバカラホテルを参考にした。

リラックスできるラウンジのような趣のリビング。背後の書棚をはじめ造作家具はウォールナット材とし、タイルとのコントラストを楽しむ。

スケルトンの階段が上下階のフロアをつなぐ。モダンアートの作品のような美しい造形がゲストを楽しませる。

地階にあたるエントランスはRC造。ガレージ奥のミラーガラスは収納部分の扉になっている。無彩色でまとめた外観に、ライトアップされた植栽が映える。

撮影/下村康典

美しいディテール

エレベータ前の余白の空間を、白壁とガラスと石張りの床でシンプルながら品のよいスペースに仕立て上げています。白壁を照らす3つの小さなダウンライトも空間を美しくまとめようとする設計者のこだわりが伝わってきます。

建築知識ビルダーズ編集長 木藤阿由子

IDA HOMES
https://www.idahomes.co.jp
IDA一級建築士事務所代表取締役 髙木 法さんインタビュー
https://www.hqb.jp/interview/idahomes
物件情報
物件名/T 邸
所在地/大阪府
延床面積/443.47㎡
1F/360.87㎡
2F/-㎡
構造/木造SE構法(一部RC造)
地下階/82.60㎡
ガレージ/49.3㎡
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