屋外空間とつながるバリアフリーの平屋

建築やデザインに造詣が深い夫妻が、健康面を考慮しながら旅行や趣味を楽しむ「究極の終の棲家」。車椅子生活になっても快適に暮らせるよう、バリアフリー動線や幅広の引き戸を採用し、ビルトインガレージから玄関、LDK、書斎、水回り、寝室へとスムーズに行き来できる計画に。約42畳のLDKでは床から天井まで達するハイドアを採用し、アウトドアリビングとフラットにつながる。料理好きの奥さまのため、キッチンはプロ向けメーカーでフルオーダーし、収納や食洗機もバリアフリー仕様とした。寝室にはミニキッチンやトイレも備え、ひと部屋でも快適に過ごせる構成に。夫妻はブルーベリーやオリーブの庭を眺めつつ、豊かな時間が続く空間を堪能している。

リビングはマガジンラックにいたるまで、機能美を極めたイタリアの高級ブランド、ポルトローナ・フラウでコーディネート。ソファ「ゲットバック」は足が伸ばせるデザインで快適。

キッチンは業務用厨房機器のタニコーでオーダーメイド。プロ仕様のアイテムを選んだ。自然な体勢で食器が出し入れできる収納、ノックすれば開く食洗機など、最新技術を駆使したバリアフリーなキッチンに。

寝室と隣接する、風通しがよく快適なUさんの書斎はアルケティポ フィレンツェの家具で統一。パーソナルチェア「マンタ」に座るとアウトドアリビングが見渡せる。

まるでトスカーナのヴィラのように開放的なアウトドアリビング。ワイングラスを片手に過ごす午後は贅沢。

ポルトローナ・フラウのアームチェア「アーチボルトキング」を2台並べた寝室。ベッドはシモンズを選んだ。リビング的な要素や簡易なキッチン、トイレなどの機能をまとめたホテルライクな空間。ご夫婦それぞれのクローゼットも備え、軽い運動ができるトレーニングマシンも設置。

浴室まわりの動線もゆったりと確保した。洗面は水道管が足元の邪魔にならないTOTOのバリアフリー対応モデルを選択。

段差を極力なくした玄関ホール。アウトドアリビングが望める間取り。

ガレージと玄関の間は引き戸にしており、車椅子でも行き来しやすい設計。買い物後、玄関からそのままパントリーへアクセスできる。

撮影/梶原敏英

美しいディテール

アイランドキッチン、背面収納、パントリー扉という三要素を、オープンな空間に美しく統合している点が秀逸です。各機能の役割と動線が明快で、意匠性だけでなく使い勝手のよさも伝わってきます。

建築知識ビルダーズ編集長 木藤阿由子

関工務所
https://se-seki.jp/
物件情報
物件名/U邸
所在地/群馬県
延床面積/285.91㎡
家族構成/夫婦
構造/木造SE構法
性能/耐震等級_3
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