土間空間をモダンに昇華させた住まい

建築とインテリアデザインの融合を得意とするフリーダムデザインが、年間寒暖差約50°Cという厳しい気候風土に対応すべく、パッシブデザインの手法を深く学び設計に反映。LDKと一体化した土間空間では南側の大開口から光を取り込み、冬はタイル床が蓄熱帯となり、吹き抜けを介して暖かい空気が住まい全体に行き渡るようにした。夏は外付けブラインドで日射をコントロールすることで、LDKの空調はエアコン1台でまかなわれる。インテリアは漆喰や無垢材など自然素材を基調に、グレージュの濃淡で統一。アーチ壁や土間に敷いたラグ、リビングのソファなどがモダンで落ち着いた雰囲気を演出し、環境性能と響き合う新しい暮らし方を提案している。

土間はLDKよりも視線が下がることで、さらに落ち着きのある空間となっている。LDKはニレの無垢材、土間の部分は、グレーのタイル貼り。

外付けブラインドのスラットを少し下げることで、前庭を見ながらも、周囲の視線をカットできる。インテリアはグレージュの濃淡を基調にしている。

棚のような扉の裏側には書斎が隠されているという、ユニークなプラン。

キッチンの背面にパントリーのように使える収納を設置。内部は木目調で家具のように仕上げ、開いたときの美しさも追求。

トイレの壁に貼ったのは、木目に見える天然石の「チークウッドサンドストーン」。滑らかな質感と併せて、洗練された表情をもつ。

床に天然石のスレートを貼っている2階の室内テラスはサンルームのような空間。スレートは蓄熱性が高く、夏はひんやりと涼しい。

手前の扉がウォークイン・クローゼット、奥に書斎が隣接している。夫妻で使えるよう2人分のデスクを設置し、主寝室と引き戸で仕切ることができる。

玄関脇のウォークスルー・クローゼットから洗面スペ ース、バスルームまで連続するファミリー用の裏動線。

撮影/山本育憲

美しいディテール

外付けブラインドは日射や外部からの視線を自在に遮れる一方、格納スペースや支持部材をきれいに納めるために工夫が必要となります。この家では外壁の内側にうまく納めて、軽やかさを保ちながら美しい外観にまとめています。

建築知識ビルダーズ編集長 木藤阿由子

フリーダムデザイン
https://www.freedom-design.biz/
物件情報
物件名/向中野モデルハウス
所在地/岩手県
延床面積/138.90㎡
1F/75.56㎡
2F/63.34㎡
構造/木造SE構法
性能/耐震等級_3
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